それは第三十二回うきにん杯の3戦目が終わった昼休みの事であった。
「ぬるぬるさん、うどん食いに行きません?」
その一言が悲劇の引き金になるとはだれも予想だにしなかった。
私とおもちくんさんはしらさぎを誘い、歩いて十分もかからないほどの距離の讃岐うどんを出すうどん屋へ行くことになった。
店の外観は洒落ていて昼食への期待が高まっていく。
店内に入るとうどん屋らしい点が一切見当たらない。
しかも店主は今日は人が来ないと思って全く準備をしていなかったと笑いながら話している。それならば、店の前にあった営業中という看板は何だというのか。
あまり時間に余裕がないが大丈夫か聞いた所、そこにあるコード取ってと言われる。
座っていたソファを見ると確かにコードがあった。店主はIHヒーターをテーブルに置きコードを繫ぐように指示してきた。
まさかうどん屋でIHクッキングヒーターを見る事になるとは。
この店はアカン。そう思った。
準備をすると言って店主が奥の方に行った後、物音が聞こえないことに不安を覚えつつ料理が出るのを待つ。
待ってはいるのだが、私達はメニューも見せられず、どんなものが出てくるのか、いくらかかるのかも伝えられなかった。これは飲食店としてどうなのか問いたいレベルである。
待っている間の店主が投げかけてくる言葉も私達の想像を遥かに超えていた。
「時間に余裕がないの? 待ち合わせ? こっちに来させればいいじゃない」
非常にエゴイスティックな発言である。流石にうきにん杯出場者30人以上をそのうどん屋に呼ぶわけにはいかず、私達はただその発言を無視することしかできなかった。
そして十二時三十五分頃、うどんが運ばれてきた。
だが運ばれてきたのは鍋に入ったうどん。その外見はどう見ても讃岐うどんではない。
「讃岐うどんではないんですか?」
おもちくんさんが必死の覚悟で問う。
「あんたら讃岐うどん食べたことないでしょ。道民は道民らしいうどん食べな」
反論する気も失せるような発言だった。
ちなみに私の実家は兵庫県にあり、讃岐うどんで有名な香川県は非常に近いため本場の讃岐うどんを食べた経験がある。
とにかく時間がないので私達は無我夢中でうどんを食べ続けた。
店主は牛蒡は健康にいいんだよと言っていたような気がする。
食べている途中、食事が一人八百円だという事が判明したが、今回は一部入ってないものがあるため二千円でいいとのこと。
この店に誘ってしまったおもちくんさんは二千円をすべて自分で払った。
会場に戻る際、私達はあのお冷という名の札幌の上水道の塩素の味がする水の話に花を咲かせていた。
もう、あのうどん屋に行くことはないだろう。
「ぬるぬるさん、うどん食いに行きません?」
その一言が悲劇の引き金になるとはだれも予想だにしなかった。
私とおもちくんさんはしらさぎを誘い、歩いて十分もかからないほどの距離の讃岐うどんを出すうどん屋へ行くことになった。
店の外観は洒落ていて昼食への期待が高まっていく。
店内に入るとうどん屋らしい点が一切見当たらない。
しかも店主は今日は人が来ないと思って全く準備をしていなかったと笑いながら話している。それならば、店の前にあった営業中という看板は何だというのか。
あまり時間に余裕がないが大丈夫か聞いた所、そこにあるコード取ってと言われる。
座っていたソファを見ると確かにコードがあった。店主はIHヒーターをテーブルに置きコードを繫ぐように指示してきた。
まさかうどん屋でIHクッキングヒーターを見る事になるとは。
この店はアカン。そう思った。
準備をすると言って店主が奥の方に行った後、物音が聞こえないことに不安を覚えつつ料理が出るのを待つ。
待ってはいるのだが、私達はメニューも見せられず、どんなものが出てくるのか、いくらかかるのかも伝えられなかった。これは飲食店としてどうなのか問いたいレベルである。
待っている間の店主が投げかけてくる言葉も私達の想像を遥かに超えていた。
「時間に余裕がないの? 待ち合わせ? こっちに来させればいいじゃない」
非常にエゴイスティックな発言である。流石にうきにん杯出場者30人以上をそのうどん屋に呼ぶわけにはいかず、私達はただその発言を無視することしかできなかった。
そして十二時三十五分頃、うどんが運ばれてきた。
だが運ばれてきたのは鍋に入ったうどん。その外見はどう見ても讃岐うどんではない。
「讃岐うどんではないんですか?」
おもちくんさんが必死の覚悟で問う。
「あんたら讃岐うどん食べたことないでしょ。道民は道民らしいうどん食べな」
反論する気も失せるような発言だった。
ちなみに私の実家は兵庫県にあり、讃岐うどんで有名な香川県は非常に近いため本場の讃岐うどんを食べた経験がある。
とにかく時間がないので私達は無我夢中でうどんを食べ続けた。
店主は牛蒡は健康にいいんだよと言っていたような気がする。
食べている途中、食事が一人八百円だという事が判明したが、今回は一部入ってないものがあるため二千円でいいとのこと。
この店に誘ってしまったおもちくんさんは二千円をすべて自分で払った。
会場に戻る際、私達はあのお冷という名の札幌の上水道の塩素の味がする水の話に花を咲かせていた。
もう、あのうどん屋に行くことはないだろう。
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